サイト内検索連動型広告の可能性
Amazonが証明した検索連動型広告の力
先日、Amazonが広告関連の売上が第三四半期時点で2807億円超、というニュースがありました。
▼参考記事▼
※Amazon 広告事業、第3四半期収益は 25億ドル で 123% 成長
実は当社のZETA CXシリーズにも、ECサイト内での検索連動型広告を実現するソリューション「ZETA AD」が存在します。
このソリューションを発表したのはもう4年ほど前になるのですが、当時はECサイト運営企業にECサイト内の検索連動型広告を提案してもあまり良い感触は得られませんでした。
大きな理由として、前例がない、という点がありましたが、Amazonがこうしてこの分野で成果を出してきたということで今後「ZETA AD」も導入を前向きに検討するケースが増えてくるのではないかと期待しています。
ユーザーの興味関心を表現する検索クエリ
そもそもサイト内検索連動型広告とは何でしょうか?
簡単に言えばサイト内での検索クエリに基づいて表示する広告です。
これをサイト内ではなくインターネット検索でやっているのがいわゆるGoogleのAdWords(の一部)です。
リスティング広告とも呼ばれます。
元々Googleは90年台に登場してその当初から検索結果が画期的な検索サービスとして一気に普及しましたが、その当初はそれを収益に変えるのに苦戦していました。
それが検索連動型広告の展開によって、一気に超高収益型企業となったのです。
なお、検索連動型広告を一番最初に世に広めたのは、Overtureだと思います。
検索連動型広告の素晴らしい点は、「検索クエリというのはその瞬間のユーザーの強い興味を端的に示している」というところです。
Googleに大きな収益をもたらした広告事業
広告というのは、そもそも消費者の興味関心に近ければ近いほど、その費用対効果や購買へのコンバージョンが高くなります。
TV番組とCMの関係性もそうですし、タクシーの広告は経営者向けの内容が多いこと、高速道路からみえる広告は車や旅行、ゴルフ関連が多いのも同じ理由です。
検索クエリというのは、ユーザーが何らかの情報を探すために入力している情報なのですから、ユーザーの興味関心を色濃く表現しているのは間違いありません。
しかも、「その瞬間の」興味関心に関してです。
これは広告としては垂涎の情報ですから、検索エンジンとしてシェア1位のGoogleにとって検索連動型広告が最大の収益源というのは当然だといえます。
ただGoogleの場合、インターネット検索ですから検索クエリにおいて購買につながるクエリの比率というのは高くはありません。
検索クエリのうち広告効果が見込めるのはそのごくごく一部でしょうが、とはいえ世の検索の大半を占めているのですからごくごく一部であったとしても広告収益としては膨大なものになるということです。
ECサイト内検索クエリの費用対効果
一方でECサイト内における検索クエリというのは、そのユーザーの興味関心が購買につながる比率はものすごく高いと言えます。
ただクエリの母数は当然Googleに比べたらほんのわずかではあります。
つまり広告の基となる情報として、純度は高く数は少ないというのが、ECサイト内検索クエリの特徴です。
さて、母数は少ないとはいってもそれがAmazonくらいになれば、サイト内検索のクエリ数というのはそれなりの数になります。
しかもAmazonにおける検索クエリというのは、その多くが購買目的のための検索クエリでしょうから、広告効果としては当然高いでしょうし、その結果が冒頭のAmazonの広告収入の伸びにつながっているのだと言えます。
例えばAmazonで「バッテリー」と検索してみてください。
検索結果のうち20%-30%はスポンサープロダクトではないでしょうか。
モバイルバッテリーを販売している企業からしたら、Amazonの検索連動型広告というのは、世の中で最も費用対効果の高い広告の出稿先の一つだと言えるでしょう。
Google広告とECサイト内広告の違い
当社でも導入先の企業におけるクエリ数を全部合わせると年間500億クエリを超えます。
これは購買に至る純度の高い、ECサイト内検索連動型広告の対象となるクエリとしてはかなりの数なのではないかと考えています。
一方で、ECサイト内検索連動型広告には、Googleのようなインターネット検索とは違う制限があります。
Googleの検索連動型広告の場合にはリテールの広告も有効ですが、ECサイトにおいては広告はほぼ必然的にメーカー(ブランド)の広告だけが対象になるということです。
さらにいえば、メーカー直販ECサイトにおける検索クエリは本質的には検索連動型広告には活用できません。
「リテールECサイトにおけるブランド広告」が、ECサイト内検索連動型広告として成立する組み合わせということになります。
サイト内検索連動型広告は店舗における販売支援
これは店舗をイメージしてみれば腑に落ちます。
家電販売店に行けばメーカーから販売支援のスタッフが来ていることはよくありますし、メーカーの営業の大きな役割の一つは家電販売店での特売コーナーの場所(面)取りです。
書店における出版社の役割も同様です。
つまり、そもそもリテールにおいてメーカーは、販売支援をするのは自然であり、その一つがECサイト内検索連動型広告である、ということです。
例えば消費者がスポーツECサイトでサッカーシューズの検索をしている場合、シューズメーカーはその検索結果のトップに自社の商品やその紹介動画広告を出稿したいと考えるのはごく自然なことだと言えます。
他にも家電ECサイトで液晶テレビやデジタルカメラの検索をしているとき、家具のECサイトで本棚を検索しているときなど、リテールでブランドが広告を出稿したくなるケースというのはたくさん想像ができます。
リテールでブランドが検索連動型広告を出すというのは、ブランドからすれば費用対効果の高い広告な上に、リテールからすれば購買の後押しとなる上に広告費が期待できるという、非常に親和性の高いソリューションとなりうるのではないでしょうか。
※引用元:2018年10月26日付 DIGIDAYより
■ZETA CXシリーズ■
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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之
【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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