ZETA HASHTAGのもつ可能性


ZETA HASHTAGの特許出願

ZETA HASHTAGの発表後、一度コラムでこの製品の概要について解説をしました。(※1)

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▼コラム記事
※1 事業ロードマップ戦略とその製品化 (2022年7月27日公開)
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今回はこの製品のより詳細な部分について解説をしたいと思います。
なぜ前回のコラムではその詳細については触れなかったかというと、本製品の持つ機能について特許出願を進めていたためで、無事特許出願が完了となったため、今回は何を開示して何を開示しないかを気にせず解説することが可能となりました。

ZETAではこれまでも、後から考えると特許が取れたかなという製品や機能を多くリリースしてきていますが、サイジニアとの経営統合によって特許取得のノウハウが活用できるようになったので、今後は積極的に特許取得も目指していこうと思います。(※2)

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▼自社配信プレスリリース
※2 ZETA CLICKにサイジニアの保有する特許を活用したスタッフレコメンド成果の管理機能を追加 (2021年8月30日配信)
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ハッシュタグとUGCの親和性の高さ

さてZETA HASHTAGはハッシュタグ活用エンジンとうたっていますが、デジタルマーケティングにおけるハッシュタグの活用とは一体何でしょうか?
3rd Party Cookie(3PC)規制の流れもあり、今後ブランド・リテールといったコマースに関わる企業としてはどういったチャネルでユーザーとエンゲージメントしていくかが重要な課題になります。
当然そうしたチャネルにおいて、今後SNSなどのUGC(User Generated Contents)というのは非常に重要なコンテンツとなっていくことが容易に予想されます。

ただUGCというのはいわゆるロングテールでもあり、含まれる情報は整然としておらず雑多な状態というのがその特徴です(それがUGCの良い点でもあるのですが)。
そうした雑多なUGCをどうやって整理して活用するかはこれまでももちろん重要なテーマでしたが、3PC規制後はユーザーとのエンゲージメントにおいてUGCを活用する上で最重要なポイントの一つとなっていくのではないでしょうか。
そうしたUGCデータを活用する際において、最も重要なデータの一つとなりうるのがハッシュタグだと思います。

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まずハッシュタグというのはそのUGCがもつコンテンツの特徴を表しているといえます。
またハッシュタグはTwitterで広く使われ始め、今はYouTubeやFacebook、InstagramなどありとあらゆるSNSで使われていますが、ハッシュタグそのものはどこのSNSに帰属するものではなく、むしろSNS同士にまたがる架け橋となりえます。
つまりハッシュタグというのはUGCのメタデータであると同時に、メディア間の共通言語でもあるということです。

そして、ここが重要な点ですが、ハッシュタグはUGCのみならず、コマースにおけるアイテム(商品)にとっても大変有効なメタデータとなりえます。
デジタルに限らずマーケティングというのは、基本的にそのアイテムの持つ特徴を上手にアピールするということが重要です。
例えばジャンルはもちろんですが、アパレルであればサイズやカラー、その商品を探すときによく用いられるキーワード、書籍であれば著者、価格帯やレビューのスコアというのも重要な商品の特徴、すなわちメタデータであるといえます。

商品のメタデータを有効活用

ZETA CXシリーズでは、ECサイト内商品検索エンジンであるZETA SEARCHが主力製品ですが、EC向けの検索エンジンの場合、ドリルダウンとソートという操作が大変重要です。
例えばZETA SEARCHが実装されているGDOのゴルフ場予約の検索においては、都道府県、日時、価格帯、レビューのスコア、キャディ付きや2サム保証といったプランの特徴など様々な条件で絞り込みをしてお目当てのプランを見つけて予約に至るわけですが、こうした絞り込みの個々の項目をファセット、そして絞り込み操作自体をドリルダウンと呼びます。

またファセットはドリルダウンだけではなく、並べ替え、いわゆるソートでも同様に使われるものがあります。
先程の例でいうと都道府県でドリルダウンはしてもソートはしないですが、価格帯やレビューのスコアはドリルダウンでも使うしソートでも使います。

さてここまで書くとお気づきかと思いますが、こうした商品検索におけるファセットというのは、商品の重要なメタデータでもあります。
もっというと、商品検索というのは商品のメタデータを検索条件にするケースが多いということです。
となると当然、ファセットというのは商品のハッシュタグになりえるということでもあります。

また、商品のメタデータとして商品そのものが持つ特徴、いわばメーカーやリテール企業が付与するパラメータだけではなく、商品についてのレビューからも有用なメタデータは抽出できる可能性があります。
レビューというのはコマースにおける重要なUGCでもあり、そうしたUGCを解析してそこからそのレビューそのもののメタデータだけではなく、そのレビューが紐付いている商品自体のメタデータを、レビューというUGCから生成できるのではないかと思います。

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ZETA HASHTAGで生まれる新たなアプローチ

ZETA CXシリーズでZETA SEARCHに続く主力製品は、商品Q&A・レビューエンジンであるZETA VOICEです。
商品検索、レビューといったCXを向上する機能を実現するとともに、商品検索のファセット、レビューというUGCから抽出したメタデータをハッシュタグ化して、商品やレビューへと付与するのがZETA HASHTAGの機能の一つです。
またZETA HASHTAGは、そうして生成したハッシュタグを組み合わせて、ランディングページを自動生成する機能を備えています。

例えばアパレルでいえば、メンズ・カジュアル・トップスといったハッシュタグをURLにもつページや、ちいかわ・枕といったハッシュタグをURLにもつページなどを自動生成し、Googleなどの検索エンジンにインデックスすることが可能となります。
またそうしたランディングページには、そのハッシュタグを持つ商品群だけではなくその商品のレビューなども表示することが可能となります。

3PC規制によって今後またSEOの重要性も増すことと思いますが、たとえばGoogleはUGCなどのオーガニックなコンテンツをもつページを相対的により重要であるものとして取り扱う傾向があるため、こうしたランディングページの生成というのは、今後のユーザーとのエンゲージメントにおいて大変重要なアプローチとなるのではないでしょうか。
またそれらのハッシュタグによって商品とレビューだけではなく、SNSの投稿と紐付けることも可能となるため、よりユーザーがワクワクするような商品ページを作ることも可能となります。

このように、ZETA HASHTAGの持つCX向上の可能性はかなり高いというだけではなく、既存のZETA CXシリーズとの相互補完性が高いこと、またいわゆるWeb3時代とマッチしていることなどから、今後ZETA SEARCHやZETA VOICEと並ぶ主力製品になりそうです。
実際、製品発表してからかなり多くのお問い合わせを頂いており、実際の実装事例も近いうちに紹介することができるのではないかと思います。
また冒頭述べたように特許出願も済ませたことから、今後はこうしたZETA HASHTAGの機能や強みをどんどんアピールしていき、様々なブランド企業やリテール企業の収益向上に貢献をしていければと思います。

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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