2022年6月期決算とこの一年の振り返り


8月15日にサイジニア株式会社(以下「サイジニア」)の2022年6月期連結決算が発表されました。

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2022年6月期決算説明資料 ※PDFファイル
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売上高が25億9,500万円、営業利益が3億6,300万円、経常利益が3億5,400万円となっています。
(※参考 前年実績 売上高13億9,300万円、営業損失4,400万円、経常損失4,300万円)

当初の業績予想が売上高24億円、営業利益2億7,000万円、経常利益2億6,000万円、また2月22日に開示した業績修正予想が売上高25億円、営業利益3億5,000万円、経常利益3億4,000万円でしたが、社員一同の頑張りによって無事この修正予想を上回る業績を達成することができました。

第3四半期決算では売上高17億9,000万円、営業利益1億2,600万円、経常利益1億2,100万円という進捗率、特に利益の進捗率が3分の1弱程度であったため、通期で業績は達成できる見込みなのかというお問い合わせを頂いたこともありました。
もちろん、第4四半期に前述のように社員一同が大変頑張った成果でもありますが、もう一つポイントとしてはZETAの収益の季節要因性が挙げられます。

ちなみに今回は決算短信と同日に、決算説明資料も開示をしていますので、是非そちらをご覧いただければと思いますが、ZETAは例年第1四半期が赤字、第2~4四半期で黒字、特に第4四半期で大きな黒字を計上するという収益のトレンドがあります。
今回の決算説明資料でも特にそのあたりを念入りに説明しています。

そして、2022年6月期連結決算は、企業結合日が2022年8月31日であり、ZETAの第1四半期をまるまる連結していません。
ZETAの2022年5月期第1四半期の業績は売上高8,400万円、営業損失8,100万円でありました。
つまり、そこを連結していたとすれば売上は8,400万円増え、営業利益は8,100万円減っていたということになります。
具体的には、売上高26億8,000万円、営業利益2億8,200万円、経常利益2億7,100万円という内容です。

このZETAをフル連結した内容でも当初の業績予想は達成していますが、例年赤字となるZETAの第1四半期を連結していないため、財務会計上の業績は実態に比べて売上は8,400万円少なく見え、また営業利益は8,100万円多く見えるということです。
2023年6月期の連結業績予想は、売上高28億円、営業利益3億7,000万円、経常利益3億6,000万円と、利益成長率が2%未満という低い数値に見えますが、2022年6月期でZETAをフル連結していたと仮定する実質ベースでの比較ですと、営業利益成長率31.2%、経常利益成長率32.8%となります。

ちなみに売上高成長率は実質ベースの比較ですと4.5%と、財務会計上の数値の成長率である7.9%よりもさらに低くなりますが、今後サイジニアグループにおいてはZETAの占める売上比率が高くなることにより売上高総利益率が高くなっていくため、売上高の成長率よりも営業利益の成長率のほうが高くなるというトレンドにシフトしていく予定です。
実際に、2021年6月期連結業績では18.5%であった売上高総利益率が、2022年6月期では43.1%と一気に高くなっており、また2023年6月期においてもこの傾向はより加速していくと思われます。

また2023年6月期においては第1四半期は赤字となる予想ですが、これもZETAの季節要因で1Qは例年赤字であることと、ZETAが全体に占める割合がより高くなっていくことによるものなので、財務会計上の業績でYoYで比較してしまうと悪くなるように見えますが、実際にはYoYでも売上、利益とも前年を上回る予想となっています。
繰り返しとなりますが、このあたりの説明は、決算説明資料に詳しく解説していますので是非ご参照ください。

簡単にまとめると、

・2022年6月期連結決算は2021年6月期に比べて一気に改善した
・ZETAを9ヶ月しか連結していないために財務会計上は実質ベースよりさらによく見えている
・2023年6月期業績予想は実質ベースだと営業利益成長率30%超
・2023年6月期の第1四半期は赤字予想だがこれも実質ベースでは前年比プラス

ということになります。

さて業績に関しては以上となりますが、次にこの一年を振り返ってみたいと思います。
2021年7月1日を効力発生日としてサイジニアとZETAで経営統合を行い、その両社において社長を務めるという形で1年間取り組んできましたが、正直これはなかなか大変でした。

まず単純に社長業としてのボリュームが増えるということに加えて、両社の社長である以上はPMI(Post Merger Integration)も自分が最終責任を持つ形で進める必要があります。
本社のロケーションも浜松町と三軒茶屋と離れており、また企業文化の違い、ソリューションの特性の違い、加えてM&Aによるさまざまかつ膨大な作業などもあり、非常に大変な一年でありました。

幸いサイジニアとZETAのM&Aにまつわる作業というのは今後はそこまで発生しないこと、またPMIもそれなりに進みつつあること、業績推移自体はグループ全体を通して好調であることなどから、少しずつ自分自身のペースも掴みつつあります。

一方で7月からはIR関連も役割分担として担当し始めていること、すでに発表済の「ZETA HASHTAG」を始めとする新規プロダクトや新規事業への取り組みも加速していることなどから、まだまだ大変な日々はもう少し続きそうです。
これまでは決算説明会の後に開示していた決算説明資料を短信と同日に発表するというのも今回からの取り組みですが、これもやってみると思ったよりスケジュールの面で慌ただしい点がありました。

ただ、2社の社長を1年やるとだいたい一通りのイベントは経験しましたので、サイジニアの社長としては2年目となるこれからの1年はさらにグループ全体の成長を加速するべく、これまでの1年よりもさらに積極的に企業価値の向上に取り組んでいきたいと思います。
引き続き皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
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