ポストクッキー対策としてのZETA CXシリーズ
ついに始まるCookie規制
いよいよサードパーティCookie規制も大詰めを迎えようとしています。
そうした中で、先日リテールメディア広告ソリューションである「ZETA AD」が丸井様に導入されたというリリースを発表しました。
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丸井が運営するネット通販『マルイウェブチャネル』にリテールメディア広告エンジン「ZETA AD」が導入(2023年11月28日配信)
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そもそもサードパーティCookieが規制されようがされまいが、リテールメディア広告というのは有望な市場というのは、大分前から提唱してきたのですが(多分8年以上前からだと思います)、先行して市場が成長していた欧米に比べて日本の市場はまだまだ遅れているのが現状です。
ただ、いずれにしても遅かれ早かれ、リテールメディア広告市場が日本においても急速に成長するのは、これは確実です。
私は来年すなわち2024年が、日本でのそうした市場が成長を始める年になるのではないかと思っています。
そもそもサードパーティCookie規制後の、いわゆるポストクッキー対策としては、今のところ効果が落ちるであろうリターゲティング広告を、代替手段によってなんとかその落ちる度合いを少なくできないかというものが今のところ主流です。
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・掲載媒体:日本経済新聞
・掲載日 :2023年11月27日 (会員限定記事)
・発行元 :株式会社日本経済新聞社
・WEB版 :サードパーティークッキー廃止へ ネット広告効果半減も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC168XY0W3A111C2000000/
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こちらの記事にもあるように、ユーザーをID的な手段で紐付ける、もしくは旧来からあったコンテンツマッチ的なアプローチを活用する、などです。
もちろんそうした手法もある程度有効だとは思いますが、これはあくまで私の個人的な意見ですが、ポストクッキー対策として重要なのは、
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1.インターネット検索やSNSなどの外部との連携を強化する
2.サイトをより魅力的なものにして、認知度やオーガニックなSEOの改善に取り組む
3.流入したユーザーの顧客体験を改善しコンバージョンの向上に取り組む
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の3つではないかと思います。
1はすでにさまざまな取り組みがなされていますが、ここでは2と3について考えてみます。
2と3に共通しているのは、サイトを本質的に魅力的なものにして、リターゲティング広告などに頼らず流入を増やし、顧客体験すなわちCXの質を上げるというものです。
つまりこの2つはある意味同じ取り組みについて、流入という成果とCVR改善という成果の2つが結果として表れるというだけの違いだといえます。
クッキー対策の本質はCX向上
また、ターゲットとなるサイトにもいろいろありますが、ここでは特にECサイトについて考えてみたいと思います。
まずそもそもユーザーがその製品に詳しかったら買わないであろうものをフェイクレビューなどを使ってなんとか売る、というような、本質的にCXに反するようなものは論外です。
ちょうど最近でも、ある大手ECサイトで人気1位の超音波洗浄機が非破壊検査をしてみたところ、実は超音波を発生するような仕組みはなく、単に偏心したモーターの振動を使っているだけだった、という出来事がありましたが、そもそも最初からユーザーの錯誤につけこもうというようなアプローチはいずれ淘汰されていくことでしょう。
まっとうな、ちゃんと喜んでくれるユーザーがいる製品を販売することに取り組んでいるECサイトにおいて重要なことは、いかにユーザーに対して真摯に向き合い、また透明性を高めるか、ということが、ポストクッキー対策としては非常に重要です。
そしてもちろんそれはCXの向上そのものであり、そもそもサードパーティCookieが規制されようがされまいが重要なことのはずなのです。
ただ、そうしたまっとうなCX向上に取り組むよりも、もっと費用対効果が高くて手っ取り早い手段があったのがなくなった、というだけというのがポストクッキー対策の本質です。ユーザーに喜んでもらえるような製品の品揃えが良くて、また使い勝手も高く、UGCなどを活用することで情報の透明性も高いECサイトであれば、自然と認知度もSEOも上がるでしょう。そしてサードパーティCookieに依存したリターゲティング広告を使えないことで流入自体は減少したとしても、本当に欲しいと思ってもらえるユーザーに買ってもらえる割合が高くなれば、ファネルの出口つまり最終的な購買は落ちるどころか上がるかもしれません。
そしてさらに、リテールメディア広告というジャンルの登場によって、単なるリターゲティング広告の時代には存在しなかったユーザーへのアプローチが、これから盛り上がっていくでしょう。
そもそもリテールメディア広告市場というのは、リテールECサイトにブランド企業が広告を出稿するというマーケットです。
一時期ブランド直販やD2Cが盛り上がりましたが、やはりそれらだけではなく、良質なリテールECサイトというのはユーザーからすると購買体験における楽しい場であるはずです。
良いとか悪いとかではなく、ブランド企業はユーザーにそのブランドの製品を買ってもらいたいというのが目標であり、一方でリテール企業というのはユーザーに一番満足する製品を買ってもらいたい、というのが目標であるという違いがあります。
そうなるとユーザーの属性やその瞬間の嗜好というのは、当然リテールECサイトのほうが豊富なはずです。
となればブランド企業としては、リテールECサイトをメディアすなわちリテールメディアとして捉えて、そこにアプローチするのが良いというのはごくごく自然な発想であり、むしろなぜ日本ではまだまだリテールメディア広告の市場が小さいのかがむしろ不思議なくらいです。
中長期戦略の要となるリテールメディア
ところで、当社が提供している『ZETA CXシリーズ』は、CXというワードを名前に入れているくらいなので当然ですが、CX改善というものをその戦略の中心に置いています。
具体的な製品としては、EC商品検索エンジン、口コミエンジン、ハッシュタグエンジンなど様々ですが、その根本にはCXを改善する、また製品同士が連携することでよりCX改善を向上させるという狙いがあります。
最近あったトピックですが、ハッシュタグ活用エンジンである「ZETA HASHTAG」が、他のハッシュタグソリューションなどに比べて、相対的にSEOの向上にも効果があるという評価をうけました。
元々「ZETA HASHTAG」は、サイト内の回遊率を上げること、つまり先ほど挙げたポストクッキー対策の3番目がメインの機能ではありますが、それに加えてハッシュタグのLPを生成することでSEO効果も上げる、つまり先ほどのポストクッキー対策の2番目の効果も狙ったものなのですが、実際にそうした評価が出てきていることはとても良いことだと思います。
また、『ZETA CXシリーズ』はEC商品検索も口コミもハッシュタグも、ユーザーの重要なファーストパーティデータを得られるという特徴があります。
例えばECサイトにおける検索クエリなどは、まさにその瞬間のユーザーの嗜好や需要を表すファーストパーティデータだといえますし、口コミやハッシュタグも検索ほどではないにしてもユーザーの興味関心をファーストパーティデータとして得ることができます。
これらは当然、コンバージョン向上にも寄与するだけではなく、リテールメディア広告の元となる重要な情報にもなり得ます。
加えて最近よく考えているのが、”EC商品検索→口コミ→ハッシュタグ→リテールメディア広告→EC商品検索”という循環があるのではないかというものですが、このあたりはもう少し見解が深まったらまたコラムにしてみたいと思います。
ユーザーに喜ばれる製品を、ユーザーが快適に使える状態で、かつユーザーをUGCという形で巻き込んでいるリテールECサイトは、これからの重要なデジタルマーケティングの舞台になるでしょう。そういえば先日とあるパネルディスカッションで、ブランド企業においては広告費というのは原価よりの扱いになるが、リテールメディア広告は販促費的な扱いなのでなかなか広がらないという話を聞きましたが、これからのCXが良質なリテールメディアは、ブランド企業にとっても重要なエンゲージメントの場であり、そこへの投資は販促という要素もあるがそもそも広告でもある、という認識が今後は広まっていくと私は思います。
【ZETA CXシリーズ】
高度なデータ分析・マッチングの技術でユーザーにさらなる良質な購買体験を提供するマーケティングソリューションです。
以下8つのラインナップで構成され、顧客満足度・コンバージョンを高める製品として多くの大手ECで採用されています。
▼ EC商品検索・サイト内検索エンジン ZETA SEARCH
▼ レビュー・口コミ・Q&Aエンジン ZETA VOICE
▼ ハッシュタグ活用エンジン ZETA HASHTAG
▼ ECキュレーションエンジン ZETA BASKET
▼ OMO・DXソリューション ZETA CLICK
▼ レコメンドエンジン ZETA RECOMMEND
▼ リテールメディア広告エンジン ZETA AD
▼ 予測・パーソナライズソリューション ZETA DMP
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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之
【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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