続・カスタマーエクスペリエンスと透明性


CX における「透明性」とは?

前回はカスタマーエクスペリエンス( CX )についてでしたが、今回は CX における透明性という話です。

そもそも「透明性」という言葉がちょっと紛らわしいのでまずはその点について整理します。

良くマーケティングイベントに行くと「可視化」というキーワードが出てきます。

透明化や透明性というキーワードが使われることもありますが、これらは「企業から見たユーザーの行動の透明性」という意味です。

企業からマーケティングの効果が明確に認識できるかどうか、ということですね。

今回コラムで触れる「透明性」とは、そうしたものとは逆で、ユーザー・カスタマー・コンシューマーの立場からの商品(や企業)に対する透明性です。

商品の「本当の価値」の可視化

ある人にとってある商品の本当の価値というものがあるはずです。

そしてそれは、昨日と今日でも違うかもしれません。

もちろん違う人からしたらその商品の価値はまた別物です。

この「本当の価値」という考えが CX においては非常に重要です。

そもそもなぜ CX という概念が重要になったかですが、その大きな理由の一つがスマートフォンの普及です。

もっと言うと、コンピュータ、ネットワーク、スマートフォンという3つの革命による変化の一つが CX なのです。

コンピュータ、ネットワーク、スマートフォンという3つの革命による変化の一つが CX

計算し、繋がり、持ち歩くということですね。

この3つが揃ったことにより、個人の情報のやり取りに対するハードルは急速に下がりました。

そのために、コマースにおいては以前は見えなかった「本当の価値」というものが、見えるようになってきたのです。

このため企業は以前のように「この商品はこんなに素晴らしいです」というブランディングだけでは、通用しなくなってきました。

CMのトレンドを見ても、イメージ広告から機能広告へとシフトしてきているのがその現れです。

今後は個人というか消費者に対して「商品やサービスに対する透明性」を提供する企業が、長い目で見れば勝ち残っていくと思われます。

その透明性を提供する舞台がカスタマーエクスペリエンスということです。

情報の透明性を示す中で一番重要なもの

この商品はこういったものです、こうした機能があります、こうした評価を受けています、返品率がこのくらいです、価格の推移はこんな感じです、納期はこのくらいです、在庫はこれだけあります、というあらゆる情報が「商品の本当の価値」に対する透明性ということです。

都合の悪い消費者の声を隠したり、返品率の高さを隠したりしていては、 CX が重要な時代となっては通用しないのです。

実際問題すでに、店頭で買い物をしているときでも、スマートフォンでメーカーサイトを見て機能や発売日を確認する、価格比較サイトで価格をチェックする、Amazonなどで評価をチェックする、というのはもはや当たり前のように行われています。

こうした行為に協力する姿勢が、そのまま CX における透明性の提供に繋がります。

もちろんこうした情報の中で、一番重要なものが「他人の評価」です。

つまりレビューです。

情報の透明性で重要となるレビュー

当社では昨年の6月にとあるクローズドなイベントでレビューエンジンの発表をして、夏には発売予定としていたのですが、実際には検索エンジン事業が好調すぎるせいもあって発売まで1年かかってしまいました。

ZERO ZONEブランドではなくZETAブランドとして、「ZETA VOICE」というレビューエンジンの発売を6月から行います。

提供価格などはリリースをご参照ください。

レビューと検索の関係

そもそも日本ではレビューエンジンを提供している企業が少ないのもありますが、ハイエンドなサイト内検索エンジンを提供している当社がレビューエンジンを提供するのは、大変重要な意味があります。

それは「レビューは重要な検索のソートの根拠」であるということです。

良いレビューシステムがあれば、検索結果はユーザーにとってより適切なものになるでしょう。

つまりレビューは透明性の根拠を与え、検索はその透明性を活用する道具になるということです。USではすでに CX におけるレビューの重要性というデータはたくさん出ていますが、「レビューが0から1になるとオーダー(注文)が10%アップする」というデータがあります。

Amazonのようにレビューが豊富なサイトでは、すでに「レビューが0だと買うのを躊躇する」のではないでしょうか?

当社では、この商品検索エンジンレビューエンジンをあわせて提供することと、また先日発表したDMPとも組み合わせることで、EC UXだけではなく CX としての透明性をハイレベルで実現するソリューションの提供を行っていきます。

もちろんレビューだけあれば万全ということではなく、前述したように返品率や在庫、納期、販売数量などその他の多くの情報も、UXとして提供することが重要です。

一例として、実際の店舗では他人の行動を見ることが出来るので、人気商品がわかります。

最近一部のECでは「ビジーショップ」「ビジーアイテム」という指標があります。

「何人がこのショップを訪れています」とか「今日何人がこの商品を買いました」というような情報ですが、こうした情報の提供によって店舗のように人気商品を認識しやすくなります。

またEC UXだけではなく、今後はネット広告もこうした透明性を提供することが重要になっていくことでしょう。

ブランドリフトが不要ということはないですが、ECサイト内の広告すなわち最後のひと押しのような広告は、イメージ戦略よりも「本当の価値を認識させる」ことがより効果的だと思われます。

次回もまだ CX についてですが、 CX と制御モデルについて解説してみます。

 

■ZERO ZONE製品シリーズ■
サイト内検索エンジン・EC商品検索 「ZERO ZONE SEARCH」
レコメンドエンジン「ZERO ZONE RECOMMEND」

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【著者情報】
株式会社ゼロスタート
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]人工知能で明日のビジネスは変わるのか?
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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