第3四半期決算発表とその解説


5月13日にサイジニア株式会社(以下「サイジニア」)の2022年6月期第3四半期連結決算が発表されました。

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2022年6月期第3四半期決算短信 ※PDFファイル
2022年6月期第3四半期報告書 ※PDFファイル
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連結で売上高17億9,000万円、営業利益1億2,600万円、経常利益1億2,100万円となっています。
(※参考 前年実績 売上高9億9,600万円、営業損失6,200万円、経常損失6,000万円)

第2四半期に続いて、第3四半期でも過去最高の結果となりました。

またサイジニアは2月22日に通期業績予想の修正を発表しています。
期初の業績予想は売上高24億円、営業利益2億7,000万円、経常利益2億6,000万円でしたが、これを売上高25億円、営業利益3億5,000万円、経常利益3億4,000万円へと予想を修正しています。

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通期業績予想の修正に関するお知らせ ※PDFファイル
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また、通常サイジニアは決算説明資料は第2四半期と通期でのみ発表をしていますが、今回は決算補足説明資料についても開示しています。

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2022年6月期第3四半期決算補足説明資料 ※PDFファイル
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ZETA株式会社(以下「ZETA」)との経営統合を経て、第2四半期の決算発表時にのれんの金額とその一部の減損処理について発表をしていますが、その後PPA(Purchase Price Allocation)というプロセスを経てのれんの金額に変更が発生したことと、その変更分の全額を追加の減損処理としたため、その内容について詳しく説明をしていますので合わせてご覧ください。

PPAは、のれんのうち識別可能資産と呼ばれる内容について評価を行うものです。
今回PPAによって8億円が顧客関連資産、すなわちZETAが持つクライアント企業群としての価値として認定をされたため、この8億円をのれんから区分しました。
区分された識別可能資産は税効果会計の適用対象となるため、将来発生するであろう課税額が今期において繰延税金負債として計上され、またその繰延税金負債はのれんの追加分として認識されるため、この繰延税金負債2億7,600万円を追加の減損処理としています。

この部分は、会計と税務の違い、またのれんと識別可能資産の違いなど複雑な部分であるため、今回は第3四半期ですが決算補足説明資料として解説をいたしました。
ありていにいうと、ZETAのクライアント企業群はZETAの顧客として今後収益をもたらすと思われる資産価値があることから課税が発生すると思われ、また資産であるため償却の対象となるがその償却期間において発生するであろう課税額を今期に繰延税金負債という形で先に計上をする、ということです。

来期以降は計上した繰延税金負債が徐々に取り崩され法人税等で調整されるため、顧客関連資産の全償却期間における税引き後最終利益は結局同じになります。
一般的に減損というと、資産や事業が毀損した際に発生する事が多いかと思いますが、今回の減損はあくまでも税効果会計の適用によって発生した繰延税金負債の処理であり、むしろZETAのクライアントリストが収益性があると評価された結果でもあるため、その点についてなるべく正確に伝えられればと思います。

事業環境については、引き続きECシフトのトレンドなどにより好調に推移しており、また第2四半期での決算説明資料において今後の事業ロードマップとして掲載した新規事業についても取り組みが進んでいます。
今後もグループ全体での収益の向上に取り組んでいくとともに、業績が企業価値として適正に評価されるべく、資本政策や情報発信なども積極的に検討をしてまいります。

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
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[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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