構造改革への取り組みと適時開示
本日、4件の適時開示を発表いたしました。
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▼リンク
1. ネット広告サービスの事業譲渡について (※PDFファイル)
2. 業績予想の修正について (※PDFファイル)
3. 配当予想の修正について (※PDFファイル)
4. 人事異動について (※PDFファイル)
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これら4つの決定は、相互に関連をしています。
根本的な要因は、残念ながらサイジニアグループにおけるネット広告サービスが不調であることです。
今期の第1、第2四半期は昨年比ではマイナスとはいえ予算を達成していましたが、第3四半期から予算に対しても不調となり、またこのトレンドは3rd Party Cookie規制動向という要因によるものなので、それを跳ね返して事業を再度上昇トレンドに乗せるのは、そう簡単ではありません。
もしグループ内に他に有望な事業がなければそれでも、ネット広告サービスの回復に向けて様々な努力をしていったと思いますが、現在グループ内にあるもう一つの事業、CX改善サービスが好調に推移しているため、こちらに軸足を移すのは比較的わかりやすい経営判断だといえます。
ネット広告サービスから撤退するにあたり、事業を終了させるという選択肢もあったかとは思いますが、その場合構造改革費用がかなりかかるであろうこと、またグループ内の社員の雇用などを考えると、今回株式会社ジーニー(以下ジーニー)に譲渡という形でまとまったことは、とても良かったと思います。
なお、譲渡するネット広告サービスはジーニーさんにおいて今後も継続される予定です。
ジーニーさんとはZETAとの間においてすでにリテールメディア広告という今後成長が期待できるジャンルにおいて提携をしていること(※)もあり、それであればある意味コンフリクトしうるであろうデクワスの手がけるDSP事業をジーニーさんにお渡しできるというのは、リテールメディア広告のパートナーシップを考える上でも、良い選択であったと言えるのではないでしょうか。
またジーニーさんは広告事業が主力であり、その手がける規模においてもデクワスよりも大きいため、規模のメリットを当社グループよりも出しやすい、すなわち今期低迷しつつあった事業の再生の確度が、少なくとも当社で手がけるより高いものと思われます。
グループ内においては、第3四半期のネット広告サービスの収益が不調であった段階から、徐々にCX改善サービスへと軸足を移しつつありましたが、事業譲渡という形でグループとしてはサービス終了という形になったことで、業績予想においても影響がありました。
ネット広告サービスは売上は上がりやすく、粗利益率が上がりづらいという構造です。これに対してCX改善サービスは粗利益率は高いがその分、売上が上がりづらいという構造です。そもそも今期(サイジニアの第18期)は、期初から粗利益率の向上をテーマに掲げてきました。そのためコアコンピタンスがZETAの手がけるCX改善サービスにシフトすること自体は狙い通りであったのですが、それが想定以上の速度で進んだことが、売上高においては減少という結果になっています。
ただし来期以降も粗利益率、そして利益の絶対額を重視した経営戦略というのは継続する予定ですので、短期的には売上高が減少するという現象があったとしても、中長期的な利益を増大させるという方向で取り組みを進めていきたいと思います。
そして、そうした粗利益率の向上というトレンドが一時的なものではなく、今後構造的にかつ継続的に実現ができるという判断のもと、初めての配当を出すべく配当予想を修正しました。今期においては元々サイジニアの筆頭株主であったソフトバンク株式会社が、保有する株式を放出するという意向があり、その株式を10億円弱の自社株買いという形で引き受けるという資本政策を行ったため、株主還元に用いる原資としてはすでに多額を使用してはいたのですが、それでも同じ期に配当を出せるというのは、今後の事業のトレンドが良いと考えているためです。
また、こうした事業構造のシフトにフィットさせるために、またサイジニア内の各種オペレーションをさらに最適化させるために、人事異動も行いました。
グループの大きな変革期ではありますが、また短期的にはマイナスに見える側面もあるかもしれませんが、グループとしては大きな飛躍のタイミングだと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
(※) ZETAと株式会社ジーニーにおいて、これからのリテールメディア市場の開拓に向け業務提携 (2023年5月15日配信)
【ZETA CXシリーズ】
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以下7つのラインナップで構成され、顧客満足度・コンバージョンを高める製品として多くの大手ECで採用されています。
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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之
【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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