広告と宣伝


当社第11期の業績

当社は5月決算なのですが、先日で第11期が終わり過去最高の売上・営業および経常利益を達成できました。

これもひとえに皆様のお引き立てのおかげです。ありがとうございます。

また、1年ぶりくらいに導入先クライアント様の流通額を調査してみたところ4000億円から6200億円に増加していました。

流通額は確認できる範囲でなので実際にはもっとあるかとは思いますが、2016年のYahoo!ショッピング(アスクル除く)が6982億円とのことなので、ほぼ同じくらいということです。

次は1兆円を目指して、引き続き頑張ります。

広告という言葉の捉え方

先日話題になったニュースで、

ヤフー通販「おすすめ順」、広告料払えば検索上位に ※
http://www.asahi.com/articles/ASK6855PBK68ULFA01W.html

という記事が出ていました。

楽天やAmazonではこうしたケースでは明確にPRやスポンサープロダクトという位置づけで上位表示や特別表示がされますが、そうした明記がない場合をどう捉えるかはなかなか微妙です。

おすすめか広告か

このニュースを受けてその後、説明文のリンクを見えやすい位置に設置する、という改定がありましたが、検索結果自体での広告・PR表記などは行っていないようです。

私は常々セミナーなどで、「ECサイトの 検索結果はすべて広告 と考えるべきです」と説明しています。

この記事の中でも

「ショッピングサイトは、お店に対して広告を掲載する場所を提供しているものだ。サイト自体が広告のかたまり、電子カタログみたいなものだと考えている。利用者は、最初から全てが広告だと分かって使っているはずだ」 ※

という取材に対するコメントが見られますが、私のいう「検索結果は広告」という真意は少し違います。

この違いについて考えている中で、それはそもそも「広告」という言葉をどう捉えるかの違いではないか、と思い至りました。

「 検索結果はすべて広告 」という真意

広告とは消費者に商品を知らせるもの、というのは確かにその通りです。

ただ同時に、広告とは広告収入が得られるもの(もしくは支払うもの)、という側面もあります。

私のいう「 検索結果はすべて広告 」という真意は、「検索結果は機械的に処理されるべきものではなくマーケティングのアウトプット(制御モデル)として捉えるべき」という意味です。

より消費者に歓迎され、購買に至りそうな商品を出力することが重要ということです。

検索キーワードが間違っていたら0件ヒットを出すとか、古い型番での検索だった場合に新しい型番を表示しないのは、いくら検索条件に沿っているとは言え正しくありません、というのがその真意です。

お店の店員になぞらえるとよりわかりやすいと思います。

「○○(という間違った商品名)はありますか?」と聞かれたら、「ありません」ではなくて「それはもしかしたら△△のことでしょうか?」というのが良い接客でしょう。

また、「123-ABCというカメラはありますか?」と聞かれたら、「そちらもございますが234-BCDという後継商品も先週発売されています」と教えてあげるのが良い接客でしょう。

基本的には消費者よりも店員のほうが詳しいケースのほうが多いのですから、消費者のリクエストを鵜呑みにするのではなく、そのリクエストを元に最適な商品提案をするのが正しい姿だと思います。

私は「 検索結果はすべて広告 」というのは、そういう意味で使っています。

モールとショップの関係性

一方でこの記事のケースでは、「マーチャントが媒体に広告料を支払っている」という決定的な違いがあります。

つまり「お金を払うなら目立たせましょう」という、広告事業ということです。

ここで「それはショップとモールの違いなので当たり前だ」と考えるのは早計です。

たしかにショップというのは商品の販売によって収益を上げるもので、モールはあくまでメディアですから、手数料や広告収入がビジネスモデルなのはその通りです。

ただ、モールも結局のところ「出店しているショップが利益を上げることによって、モールが儲かる」という仕組みが根本にあります。

つまり消費者とショップの関係というのは、ショップだろうがモールだろうが変わらないのです。

ではショップとモールは何が違うのかといえば、それは集客と手数料というトレードオフがあるというだけです。

ショップが自身で集客する代わりに広告料や手数料を払って集客してもらうのがモールです。

本来はこのように集客と広告料(手数料)のトレードオフなので、そこから先は普通のショップと同じはずです。

良い商品を消費者に見つけてもらって、満足する買い物をしてもらい、その代金の一部が収益になります。

ところがここで、モールがショップからさらに検索結果上位表示の広告料をもらってPRする場合、少し事情が変わってきます。

今回の記事のケースで起こりうること

たとえば消費者はあるXという商品を買うことが、その買い物においてはベストであったとします。

ショップの場合、そのXを買ってもらえば良いですが、モールの場合もしYという商品を扱うショップがこうした上位表示広告料を払っていたとしたらどうでしょう?

消費者はそれでも本来はXを買いたいはずですが、モール的にはYを買ってもらいたいと思うかもしれませんし、Xのほうが良いと思うかもしれません。

Yのために広告料を払ったショップは、Yを買ってくれと思うでしょう。

つまり広告料が発生する場合、こうした思惑が錯綜してしまう、ひいては消費者にとってある意味ダメージが発生するかもしれないということです。

上位表示広告料が発生しなければ、先程のコメントにもあるように、ショッピングモールは電子カタログのようなもの、というのは正しいと思います。

でも広告料が発生している場合、「どっちを買ってもらいたい」と思っているのでしょうか。

そこが今回の記事の核心ではないかと思います。

消費者の満足につながる検索結果

当社の唱える「 検索結果はすべて広告 」というのは、あくまでも「消費者が買って一番満足する商品を表示しましょう。検索結果は『消費者が満足するために』いかようにでも操作できます」ということです。

消費者が満足する検索結果

「モールや上位表示広告料を払ったショップが儲かるように」操作するのは、明らかに目的が違います。

とはいえモールに出店しているショップも、それはそれでビジネスとしてやっているのですから、自身の収益を上げるための努力は、それはそれで正しいものでしょう。

楽天やAmazonのようにPR表記やスポンサープロダクト表記をする、というのが現時点での現実解ではないかと思います。

こうした表記がない場合、消費者はそれがわかりません。

たとえ説明文のリンクがあったとしても、検索結果のどれがそれであるかは、相変わらずわからないのです。

また、もしかすると、出店するショップによっては「ヤフーは上位表示広告料を払ってもそうとはわからないからヤフーにしよう」と考えるかもしれません。

もしかしたらそれがモールの狙いかもしれませんが、それはわかりません。

今回の件をうけて、少なくとも当社では今後は「 検索結果はすべて広告 です」という言い方はやめて、「検索結果はすべて宣伝です」という言い方に変えようと思います。

宣伝でも今回のケースのような誤解は受けるかもしれませんが、広告という表現よりはマシかなとは思います。

※引用元:2017年6月28日付 朝日新聞デジタルより

 

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【著者情報】
株式会社ゼロスタート
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]人工知能で明日のビジネスは変わるのか?
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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