店舗の前向きなショールーム化


海外イベントで話題を集める scan&go

最近は海外のリテール系のイベントに行くとかなり scan&go の話が多いです。

scan&go は店頭で何らかの商品情報(値札とかパッケージとか)をスマートフォンでスキャンするとその製品にまつわるページにジャンプし、そこから購買へと導くような仕組みのことです。

当社が最近リリースした「ZETA CLICK」は、この scan&go のgoの部分をダイナミック、すなわち動的にすることでパーソナライズを実現し、消費者にとってより納得の行く購買を実現しようというものです。

オンライン広告も昔は誰が見るかによって変わることはなかったのが、今はそうした広告ばかりになってきたように、”あらゆるマーケティングの試みは最初スタティック(静的)でもいずれダイナミック(動的)になる”のは必然です。

そもそもデジタルというのはマーケティングに限らずダイナミックなアクションを実現するのに大変適した手段ですが、デジタルマーケティングがダイナミックに向いているということではなく、マーケティングはデジタルという手段を得てダイナミックを実現しやすくなったということだと思います。

すなわち、ダイナミックが目的でありデジタルは手段であるということです。

店頭 デジタルマーケティング の実現

デジタルは手段である以上、それがオンラインで使われるか店舗で使われるかは本来関係ないのですが、”オンラインはデジタルであるためそこが混同されやすい”のではないでしょうか。

場所としてのデジタル・手段としてのデジタル

もっと踏み込んで言うと、”オンラインはデジタルなのでダイナミックなのは当たり前だが、店舗でもデジタルを活用することでダイナミックなマーケティングは可能になるし有用である”ということです。

マーケティングは常にダイナミックな方にシフトしていく以上、店舗で デジタルマーケティング がより活用されていくのは当たり前のことなのですが、現在のところまだ”店舗とオンラインの売上が予算で別物として扱われる”という本質的ではない制約のために、本来消費者のメリットを生み出せる店頭 デジタルマーケティング の施策がまだなかなか進まないというのは残念な現象です。

現在欧米で活発になりつつある scan&go は、店頭にデジタルを持ち込んでいる点は大きな進歩ですが、その実装自体はまだ「ZETA CLICK」のようにダイナミックではないケースがほとんどのためもったいない気もします。

逆に言えばまだまだ今後も進化の余地があるということでもありますが。

ショールーミングの変化

こうして店舗でのデジタルの活用が当たり前になると、消費者の購買行動も当然のように変化していきます。

店舗はこれまで、商品陳列&体験と購入する在庫の保管という役目を併せ持っていましたが、今後はより前者(商品体験)における役目がメインとなっていき、購入は scan&go によってスマートフォンでという流れが当たり前のようになっていくと思われます。

以前はそうした流れは”ショールーミング”として悪い意味で扱われていましたが、これは単に”店頭からそのままECへの導線が用意できていなかったため”であり、消費者が店頭での商品体験からスマートフォンでオンラインでの購買をするというのはごくごく自然なアクションであり、それを防止するのではなくむしろ推進して、かつ自社のECに誘導するというのが正しい取り組みだと言えます。

デジタルマーケティング

どうしてもその場で持って帰りたいようなアイテムは店頭に在庫があるほうが良いでしょうが、そうでない類の商品は倉庫から発送でも問題ないですし、それによって店頭の商品体験の活用できるスペースもより広がるでしょう。

店舗とECの関係性

私自身そうですが、数年前はECで商品を買うと当日とか翌日届かないと嫌だったのが、ここ半年から一年くらいは別に翌日や翌々日でも気にならなくなってきました。

これは、どうしても当日欲しいというケースは実は稀で、体験としてそこまで急ぎで必要ではないけどすごく早く届いて欲しいという気持ちが当初あって、それがだんだん落ち着いてきたのではという気がしています。

SNSなどのネットサービスでもそうですし、新しい車を買ったときやカメラを買ったときなど、最初は少し過剰にのめりこんでしまうのはこれはしょうがない人間の性だと思いますが、そうした時期が過ぎてからが本当に生活の一部となるということは良くあります。

ECもようやくそうした過渡期から定着期になりつつあり、以前はちょっと特殊な購買行動というようなイメージだったものが、生活の一部になりつつあるということかもしれません。

そうなってくると、店舗とECは併用されるだけではなく、店頭ECのように同時に使われるという補完関係になるのはごくごく自然なことであり、またこうしたトレンドはより一層進むのは間違いありません。

購買行動における透明性とレビュー

そうした流れの中でもう一つ重要になると思うのが、以前から当社が啓蒙に努めている「購買行動における透明性」です。

これは企業から見た消費者の行動に対する透明性ではなく、消費者からみた企業、製品に対する透明性です。

先日のshoptalkでも、”消費者は企業より他の消費者を3倍信用する”とか、”ハッピーな消費者は最高のマーケター”という表現がありましたが、これはまさにそのとおりだと思います。

UBERが海外ではあれだけ大きな成功を収めたのは、シェアリングエコノミーによるリソース確保が核心なのではなく、そのリソース(運転手と乗客)を相互に評価できる透明性と、支払いに対する透明性だと私は考えています。

店舗でデジタルが活用されるようになると、こうした消費者からみた企業や製品に対する透明性というのはより一層重要になります。

もちろんそれを提供する有力な手段はレビューであり、当社も「ZETA VOICE」として製品展開をしています。

まだまだ日本ではレビューは導入にさほど熱心ではない企業が多いですが、こうした状況もここから先1-2年でかなり変わるのではないかと思います。

 

■ZETA CX シリーズ■
サイト内検索エンジン・EC商品検索 「ZETA SEARCH」
レコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」
レビューエンジン「ZETA VOICE」

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【著者情報】
ZETA株式会社
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[gihyo.jp]エンジニアと経営のクロスオーバー
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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