あらためて考える 検索 という マーケティング
当社ZERO ZONE製品の導入傾向
当社の紹介資料のために確認してみたところ、お客様の継続利用率は98%でした。
高いとは思っていましたがあらためてみると驚きです。
もう 検索 エンジンを提供して7年になりますが、いまだ利用開始からのキャンセルは3件のみ、その全てが方針による自社開発への移行によるものです。
他社への乗り換えがまだ1件もないことは誇らしいことですが、一方で導入いただくケースの大半が他社からの移行で新規導入の割合が低いのは、まだまだ当社の努力が足りない部分です。
ハイエンド向けのためどうしてもコスト比較となると高めになってしまい、新規導入では割高と判断されてしまうことが多いためです。
検索 は マーケティング であるという当社のポリシー
当社は以前から、「 検索 は マーケティング だ」というポリシーについて機会があるごとに発信してきましたが、まだまだそこには低くないハードルがあります。
外部 検索 (Googleなどのインターネット 検索 )は集客における マーケティング の大きな要素ということを否定するマーケターはあまりいないでしょう。
いまでも 検索 連動広告は、広告のなかでもそうとう強力なジャンルの一つで、それよりあとに登場したリターゲティングなどの手法でも 検索 連動を大きく超えるようなものは出ていません。
ところがサイト内、すなわち集客ではなくて接客になると、 検索 が マーケティング という認識が一気に低下します。
そもそも集客= マーケティング という認識が高いのは事実ですが、以前からあるレコメンドや、ここ最近の マーケティング オートメーションやWEB接客のブームを考えると、サイト内でも マーケティング が必要という認識自体はあるのだと思います。
サイト外では 検索 は マーケティング という認識はあり、サイト内でも マーケティング は必要という認識もあるのですから、サイト内の商品 検索 が マーケティング という認識に至るのは容易な気がしますが、なぜかここにはギャップがあるのです。
サイト内の商品 検索 が マーケティングツール としての認識が浅い理由
理由はいくつか考えられます。
まず 検索 はシステム設計上、フロントエンドよりバックエンドに近い部分に置かれるケースがありますが、こうした場合費用の出処として マーケティング よりシステム構築費用的な印象を持たれるというのはよくあります。
また別の理由として、 検索 エンジンというのは通常のWEBにおけるシステム開発の延長線上とはちょっと毛色の違う技術力が要求されるため、高速化やスケーラビリティを追求する難易度が高いという点もあります。
システムをまるまる内部でも外部でも開発を任せた場合、 検索 部分の高速化が難しいことが多いため、そこに マーケティング 的な要素を織り込む余地が少ないことがままあります。
そのために当社のような専業のサプライヤーがいるのですが、残念ながら 検索 エンジンのサプライヤーはエンジンをパーツというか部品として提供することが多く、 マーケティング ツールとして提供していることが少ないため、そうしたイメージが浸透しずらいというのも理由の一つです。
一方で外部 検索 はサービスとして提供されているため、 マーケティング というイメージを持ちやすいのではないでしょうか。
検索 とはサイトの内外において広告出稿のトリガーとなるもの
検索 エンジンを単なる製品というかパーツとして提供しようとする場合、その価格は原価の積み上げで算出されることがほとんどです。
開発にいくらかかり、営業経費がいくらかかり、この価格で売れば元が取れるという発想です。
一方で 検索 エンジンを マーケティング ツールとして提供する場合、価格は提供側の原価云々ではなく、利用側の売上・粗利をベースに算出することは自然な発想です。
Googleが原価ベースで 検索 連動広告を提供するなら、どんなキーワードも同じ価格になるでしょうし、それが不自然だということは容易に理解できます。
ところがサイト内の場合、出稿の競合がいないため、そういった意識が希薄になるのだと思いますが、そこは「競合がいないのでサイト内の 検索 連動はやり放題」と捉えるのが正解です。
サイト外だろうがサイト内だろうが、 検索 というのは強力な マーケティング のトリガーです。
これまでたびたび触れていますが、「サイト内の 検索 結果はすべて広告」と考えるべきなのです。
ウルトラハイエンド 検索 の名を支える技術力
ただ、Googleに 検索 連動広告を任せるのならそこは安心ですが、それをサイト内で構築するのはテクノロジー的なハードルが高いのは事実です。
なにしろ単純にキーワードにマッチする、その他絞り込みやソート条件に正確に従う内容を表示するのでは 検索 連動 マーケティング にはなりません。
キーワードが間違っていそうなら「もしかして」を表示し、 検索 条件に指定されていなくても在庫がゼロのものはソートで順位を下げ、安い順、新着順などの単一ソート条件ではなくいろいろな要素を勘案した「おすすめ順」ともいえるソートを組み、可能であれば過去の行動履歴も織り込んで、条件がきつすぎて0件ヒットになりそうなら条件を一部緩和したり近似した結果を選び、などを 検索 した瞬間に実現するのは、相当に高い技術力が要求されます。
当社の場合、エンジンを徐々にグレードアップしてきたのではなく、当初からウルトラハイエンドを標榜し、当時ハイエンド 検索 エンジンの標準であったFAST社のFAST Searchに真っ向勝負を挑みました。
もちろん当初は実績もないためなかなか受け入れられてはもらえませんでしたが、辛抱強く良いソリューションの提供に取り組み続けた結果、今では年間200億クエリを処理する国内最大級のサイト内 検索 エンジンのサプライヤーとなりました。
ただ価格が高いこともあり、一件あたりの規模が大きいことから、導入件数自体はまだ百数十件とさほど多くはないですが、言い換えればこれはまだまだ当社が貢献できる余地が多いということではないかと思います。
そしてこうした取り組みの結果が、継続利用率98%という、おそらく国内ではダントツの実績につながっているのではないかとも思っています。
サイト内においても商品 検索 は重要な マーケティング であるという考えが浸透し、そして マーケティング ツールとしての 検索 エンジンはコストとしてではなく広告同様に マーケティング 費用として扱われることが普通になってくれば、ECというものはさらに便利になっていくことでしょう。
■ZERO ZONE製品シリーズ■
・サイト内検索エンジン・EC商品検索 「ZERO ZONE SEARCH」
・レコメンドエンジン「ZERO ZONE RECOMMEND」
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【著者情報】
株式会社ゼロスタート
代表取締役社長 山崎 徳之
【連載紹介】
[gihyo.jp]人工知能で明日のビジネスは変わるのか?
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
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